SNSで必ずバズっている、下図の数理パズル。
作者である芦ヶ原伸之さん自身が「いじわるノブの不朽の名作」と称したこの問題を、パズル愛好家で知らない人はほとんどいないのではないでしょうか。
ご存じない方のために少しだけ説明しますと、このパズルは、
一見、2つの数の差を規則としているように思わせて、その規則ではどこかに矛盾が発生するので、別の規則をさがす必要があるというひっかけ問題です。
(詳しくは、右の動画をご覧ください。)
このパズルの歴史については、パズル界の大御所、高島直昭氏がご研究されていますので、ここでは簡単にご紹介いたします。
このパズルと同じ発想に基づくパズルで最も古いものは、
毎日新聞社の「くりくり」誌1981年1月1日号に掲載されている、芦ヶ原さんの「早合点しないように」です(下図)。
ここでは、問題が容易な形で掲載されています。
その次は同月25日に発行された芦ヶ原伸之「パズル学新論」に数学パズルの最新作といって掲載されたものです(下図)。
実は、
この1981年から約5年半の間、芦ヶ原さん監修のもと、大阪の地下鉄でパズルが出題されたのですが、その時にも「パズル学新論」掲載時と同じ問題が出題されました(下図)。
※この時、地下鉄で出題されたたくさんのパズルは、㈱ニチイ販売企画部編、芦ヶ原伸之監修「ニチイ駅間パズル だからパズル大好き!」集英社、1986.7.23 でまとめられています(右図は、その書籍内の1ページ)。
時系列を元に戻します。
「パズル学新論」から約1年後に発行された芦ヶ原伸之「IQスーパーパズル」、東京図書、1982.9.8 では答えは変わりませんが、「パズル学新論」時の数字の一部を変更しています(下図)。
それから、約9年経過して、
「ニコリ」1991年1月号の連載記事「パズル病棟日誌」第19棟に掲載されたのが、元々の「不朽の名作」と同じパズルです(下図)。
「パズル学新論」からここまでの10年間に、どのような変遷があったかはフォローできていませんが、規則に外れた方法が最後にきて破綻するという形式は、それまでより洗練されていると感じます。
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