中学受験や就職試験などで虫食い算という数理パズルを解いた方も多いのではないでしょうか?
事実、中学入試の問題では毎年どこかの中学校が必ず出題しています。
では、
初めて虫食い算が中学入試で出題されたのはいつだと思いますか?
実は、この答えはまだ見つかっていません。
情報が少ないため具体的にはまだ解明されていませんが、「大正時代~昭和6年の間」という部分までは絞れています。
では、皆さんは、
日本の大学入試で虫食い算が出題されたのをご存じでしょうか?
最近の大学入試でパズルが出題されることはほとんど見かけなくなりましたが、
2013年に慶應義塾大学 総合政策学部の入試でナンバープレースが出題されたことを考えると、虫食い算が出題されていても不思議ではないでしょう。
【入試伝説】2013年 慶應義塾大学 慶應はナンプレ(数独)がお好き? | 受験の月 (examist.jp)
時をさかのぼりますが、大学入試に虫食い算が使われたのは戦後すぐの昭和22年です。
太平洋戦争が終結した昭和20年(1945年)。
その翌年、昭和21年3月に佐野昌一が「”虫喰ひ算“ 大會」(力書房)という 虫食い算を合計132題収録した本を出版し、大好評を博しました。
問題だけではなく軽妙な解説も相まって、「虫食い算は楽しいもの」として世間に伝わり、普及に大きな役割を果たしました。
その影響で、昭和22年から始まった進学適性検査(大学進学希望者に対して全国一斉に実施された試験)で佐野昌一の本に収録されている問題がそのまま使われ、昭和22年度の東京大学 文学部の入試問題で虫食い算が出題されたわけです。
翌年の昭和23年以降は東京大学だけではなくそれ以外の大学でも徐々に出題されていきましたが、昭和22年の大学入試問題では東京大学 文学部で出題された上記の1問しか見つかりませんでした。
それではせっかくですので、
東京大学で昭和22年に出題された虫食い算以外に、昭和23年に出題された虫食い算、覆面算もご堪能ください。
(通常のルールですので、最上位のマスや文字にはゼロは入りません。)
《参考文献》
・丸山久我雄編「進学適性検査」(向上社、昭和24年)
・高木茂男著「虫食算の話」(私家版、昭和28年)
を元に調査。
★★★解答★★★
昭和22年
昭和23年
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